【生物】アゲハチョウの幼虫の食性を利用して、家でアゲハチョウの幼虫を育てよう!

それは2年前の夏のことでした。
家の近くの公園の一箇所に、 アゲハチョウの幼虫がたくさん集まっている小さな木を見つけました。
高さは大人の膝丈ぐらい。
ツツジの植え込みぐらいの高さです。
本数は一本。
その一本にアゲハチョウの幼虫が10匹ぐらい群がっていたのです。
(最初は何の幼虫かも分かりませんでしたが、アゲハチョウの幼虫であることはこちらのアプリで特定)

ここで湧いた疑問。
なぜこの木ばかりアゲハチョウの幼虫が群がっているのでしょうか

アゲハチョウの幼虫が群がっていた木の名前は?

その後、アゲハチョウの幼虫がたくさん集まっていた木の名前は「山椒」であることがわかりました。

なぜアゲハチョウの幼虫は山椒の木に集まっていたのか?

ご存知の方も多いかもしれませんが、チョウの幼虫は、その種特有の植物を食べて、成虫になります。
例えば、モンシロチョウはキャベツのようなアブラナ科植物を食べます。
言い換えるとモンシロチョウの幼虫はアブラナ科の植物以外は食べません。
そして、アゲハチョウはミカン科の植物を食べて、成虫になります。
山椒はミカン科の仲間です。
だからその公園にある唯一のミカン科の木である山椒の木にアゲハチョウの幼虫が集まっていたのですね。

なぜアゲハチョウの幼虫はミカン科の葉っぱしか食べれないのか?

これはチョウと植物とがかわりばんこに進化した歴史の結果だと言われているそうです。

STEP1 植物の進化

元々、チョウは色々な植物の葉っぱを食べていました。
食べられる植物としてはたまったものではありません。
そこで、植物の方がチョウをはじめとする虫たちに食べられないように「毒」を自分たちの体の中で作りはじめました。

STEP2 チョウの幼虫の進化

これを食べた蝶の幼虫はびっくり。
もう「毒」が入った葉っぱを食べることはできません。
そこで今度はチョウの幼虫側が進化しました。
アゲハチョウの幼虫はミカン科の葉っぱに含まれる「フラボノイド酸」に 対応できるような体となりました。

植物は、その種類によって、昆虫たちに対抗して体の中で作るようになった「毒」の種類が違います。
例えばキャベツ科の植物は「カラシ油」という毒を葉っぱの中に含んでいますし、ミカン科の植物は、「フラボノイド酸」という毒を葉っぱの中に含んでいます。

蝶の幼虫も、自分たちの体をたくさんの毒に対抗できるように進化するのは大変です。
だから、アゲハ蝶の幼虫は、ミカン科の植物の毒、「フラボノイド酸」には対抗できるように進化しましたが、キャベツ科の植物の毒「カラシ油」に対抗できるような体にはなっていません。

だからアゲハチョウの幼虫はみかんの葉っぱは食べれるけれど、キャベツの葉っぱは食べれないのです。
逆にモンシロチョウの幼虫はキャベツの葉っぱの毒に対抗できるように進化したので、キャベツの葉っぱは食べれるけれどみかんの葉っぱは食べれないのです。

アゲハチョウの成虫はどうやってみかん科の木を見分けるのか

アゲハチョウの成虫はみかん花の木に卵を産み付けます。
卵が孵化して幼虫たちが出てきた時に、子供たちがすぐに餌を見つけられなければいけないからです(親心♡)。
ではアゲハチョウの成虫はどうやってみかん花の木を見分けるのでしょうか。
そのヒミツは前脚の先端にある「ふ節」と呼ばれる部分にあるそうです。
「ふ節」には葉っぱに含まれる化学物質を感じる「化学感覚子」があり、その植物に含まれる化合物を認識することができるそうです。
つまりアゲハチョウの成虫は、前足で植物の葉っぱに触ることによって、その植物が自分たちの子供が食べることができる植物かそうでない植物かを見分けることが出来るのだそうです。
そして、自分たちの子供が食べることができる植物であると、その植物が出している化学物質が刺激となって産卵をするそうです。

植物たちが、自分たちが食べられないように「毒」を作る。
昆虫たちがそれを食べれるように進化する。
その進化の過程の中でその「毒」が、チョウたちの産卵のきっかけになる。

アゲハチョウがミカン科の植物しか食べない理由は、ちょうちょと植物が地球上で共に生きていくための自然な成り行きであったことがわかりました。

ミカン科の植物には他に何があるか

ミカン科の植物には、みかん山椒の他に、レモンの木があります。

家にレモンの木があったらアゲハ蝶は卵を見に来てくれるか
というわけでやってみたのが今年です。

昨年の秋、レモンの木を買いました。
植木鉢です。
4月。
葉っぱに黄色い小さな粒がついているのを見つけました。
しばらくして羽化しました。
アゲハチョウの幼虫でした。
最初は黒い幼虫(一齢幼虫)でしたが、

今は体長3㎝ほどの緑色の幼虫になりました(五齢幼虫)

もうすぐ蛹になるかもしれません。
果たして羽化を見ることはできるでしょうか?