酸素を出す石を入れてると、どうして魚が死なないの? ~酸素発生剤のメカニズムを知りたい~

ある時、知り合いからグッピーをいただくことになりました。
その知り合いの家は、我が家から少々遠く、知り合いの家の水槽から、自宅の水槽にたどり着くまでに数時間かかります。


こんな時、本当は携帯用のぷくぷく(ぶくぶく? エアポンプのことです)があれば良いのですが、持っていません。

道中酸素が足りなくならないかな? グッピー達は元気で家まで来れるかな?
そんな心配をしていたところ、教えていただいたのか、この酸素を出す石。

この不思議な石が、数時間の間、酸素を出し続けてくれるそうです。
この石を使ったおかげ(?)で、グッピーは無事我が家の水槽にたどり着くことができました。
我が家に来たグッピーを見て、息子が訪ねます。
「この石、何?」
「酸素を出す石。グッピーを運んでいる間、水の中に酸素を出してくれるんだって。だからグッピーは息ができて、元気なままでで運んでこれたの」
「なんでこの石を入れとくと大丈夫なの?」
……なんででしょうね。
というわけで、酸素を出す石のメカニズムについて調べてみました。

なんで酸素を出す石を入れておくと、エアポンプがなくても、魚が死なないの?

酸素を出す石には、その表面に過酸化カルシウム(CaO2)がついているようです
過酸化カルシウム(CaO2)を水(H2O)に入れると、加水分解するそうです。
CaO2+2H2O→Ca(OH)2+H2O2
となり、過酸化水素(H2O2)が発生します。
過酸化水素(H2O2)は、(よく小学校の理科の実験でするように)
2H2O2→2H2O+O2
となり、酸素が発生します。
ちなみに、過酸化カルシウム(CaO2)は、水酸化カルシウムと過酸化水素の反応により得られるそうです。
水の中に入れると元に戻るわけですね。
まとめると、以下のようになります。
CaO2+H2O→Ca(OH)2+1/2O2

じゃあ、酸素を出す石を入れ続けていれば魚が死なないの?

残念ながらそういうわけにはいかないようです。
その理由は、酸素を発生する過程で生じる水酸化カルシウム。
水酸化カルシウムはアルカリ性です。
過酸化カルシウムを使い続けると、酸素が発生するだけではなく、水の中に水酸化カルシウムがどんどん溜まっていきます。
そうすると、水のPHがアルカリ側に偏ってしまいます。
グッピーを含む多くの魚は、通常は中性の環境下で生活をしています。
水質が極端に酸性やアルカリ性に偏ると、元気がなくなり、死んでしまうのです。
(ちなみに、少数派ではありますが、世の中には酸性の水やアルカリ性の水で生きることができる魚もいます)

携帯用や緊急時用と考える

化学反応を使って酸素を作った場合、目的とする酸素以外の物質(副生成物)が一緒に発生することは避けられません。
やはりシンプルに酸素(空気)を送り続けるのが水質の変化が一番少なそうです。
もちろん、短い期間でしたら水酸化カルシウムが発生することのデメリットよりも、酸素を供給することができるメリットの方が大きいと思われますので、ケースバイケースで使い分ける分には問題ないようです。
どこか遠くの公園や川で生き物を採取した時の帰り道の携帯用としてとても便利な製品だと感じました。
また、例えば停電の時等電気が使えない時用に少し準備しておくと安心かもしれません。

酸素発生剤を触ったら手を洗おう

水酸化カルシウムは消石灰とも呼ばれます。
昔は小学校の校庭の白線を引くのに使われていましたが、今は目に入ると失明の可能性もあることから、炭酸カルシウムに変更されています。
酸素発生剤も目に入ると危険です。
触ったら手を洗いましょうね。

現在販売されている酸素発生剤~Amazonで入手可能な酸素を出す石と液~

ブロックタイプ

メーカーとしては、以下の三社のものを見つけました。
採集用、飼育用などと銘打たれているものもあります。
メダカ用・金魚用などは酸素を出す石以外に、カルキを抜く薬品がセットになっているようです。

リキッドタイプ

液体のタイプもあるようです。
こちらは物質名までは不明でしたが、オキシドールのようなものが入っているのかもしれませんね。
リキッドタイプは効果が早そうですが、液量の調整が難しいかもしれません。

実際はホームセンターで購入しました。
また100円ショップに売られているとの情報も見かけました。

まとめ

  • 酸素を出す石には過酸化カルシウムが付いていて、過酸化カルシウムと水が反応することによって酸素が発生する。
  • 副生成物も発生するので使いすぎると水質が悪化する。使いすぎには要注意。
  • だけど、携帯用緊急用にはとっても便利。
  • 触ったら手を洗おうね。