なぜ風が起きるの?

その日の保育園の帰り道は、満月でした。
上空では風が強く吹いているようで、お月様は雲に隠れたり、雲の隙間から顔を出したりを繰り返していました。
「どうしてお月様隠れたりするの」
「お空で風が吹いて雲が動いているからだよ」
「どうして風が吹くの」
さあ、なぜ風はふくのでしょうか?

風って何?

まず、初めに風を定義しておきましょう。
風とは空気の移動のことです。
空気が移動して、葉っぱがそよそよ動いたり、雲が動いたりして、そして、私たちの肌に当たったりして、私たちは「風が吹いている」と感じます。

風は温度の差によって生じる

空気は温めると軽くなる

ご存じのように、空気は温めると軽くなります。
お日様に照らされて温められた空気も軽くなります。
軽くなった空気は上昇します。

穴を埋めるように周りから空気が流れ込む

温められたところで空気が上昇すると、そこには空気の穴が開いてしまいます。
周りと比べて相対的に密度が低くなってしまうのです。
そうすると、その穴を埋めるように周りから空気が流れ込んできます。
この時に発生する、空気の移動が私達に風として感じられます。

地球で起きている風の流れ

地球で一番暖かいところは、どこでしょう?
地球で一番暖かいところは、赤道付近ですよね。
赤道付近では空気が温められて上ります。
すなわち、上昇気流が起きます。

上昇した空気は上空を移動します。
上空を移動した空気は北緯30度付近・南緯30度付近で、それぞれ冷やされて下降します。
地表近くに降りてきた空気は、空気のうすいところ、つまり赤道付近に向かって移動します。

地球上では北緯30度付近・南緯30度付近から赤道に向かって空気が移動するという大きな流れがあるのです。

ところがこの風、南北の方向に一直線に流れるわけではありません。

地球の上では空気の流れは曲がる~コリオリの力~

地球は自転しています。
そして、地球上の私達も回転の影響を受けています。
例えば、反時計回りに回転しているメリーゴーランドに乗っているとします。
メリーゴーランドのいる中心から外側にボールを転がすとどうなるでしょうか。


ボールは時計回りの方向にずれて行ってしまいます。


地球上でも同じようなことが起こります。
地球は北極点から見ると反時計回りに回転しています
そこで、北極から赤道に向けて投げた物体を北極地点から見ると、地球が自転しているので、北極から見て右方向(西向き)にずれていってしまうのです。

貿易風

ここまでに、赤道に向かって空気が移動する大きな流れがあることをお話しました。
そして、地球は自転しているので、北極から赤道に向けて物を投げた場合、西向きにずれてしまうことをお話しました。
この二つの話を足し算すると、
北緯30度から赤道に向かっては北東から南西に向けての風が吹いているということになります。
これが貿易風です。

地球の上には大きな風の流れが三つある~ハドレー循環・極循環・フェレル循環~

貿易風は、赤道付近で上昇し、北緯30度・南緯30度付近で下降する大きな空気の流れが関係して引き起こされる風となります。

貿易風を起こす大きな空気の循環を「ハドレー循環」といいます。
地球上にはこれ以外にも大きな空気の流れが二つあります。
一つは北緯60度付近から北極(南半球ではその逆)で起きている空気の流れです。
北緯60度付近は北極よりも空気が暖かいので、上昇気流が発生します。
上昇した空気は北極付近で下降します。
下降した空気は空気のうすくなった北緯60度付近に戻ります。
これが二つ目の大きな流れ、「極循環」です。
最後のもう一つは北緯30度と60度の間で起きている空気の流れです。
北緯60度付近で上昇した空気が、北緯30℃付近まで上空を南下し下降、下降した空気が北緯60度付近に戻ります。
この循環を「フェレル循環」といいます。

実際の私たちが日々感じる風って……

実際の日本の私たちが日々感じる風の流れは、その土地、その土地の地形などによっても大きく左右されます。
でも、
「あっ風が吹いた」
というときは、どこかで空気が温まり、温まった空気が上昇して、周りの空気がそこによってきたという空気の流れがおきて、その流れの一部を感じているということになるのですね。


参考文献